道教哲学には、三才と呼ばれる思想があり、「天」・「地」・「人」を指す。

風水思想の隅々にまで「天の気」・「地の気」・「人の気」として浸透している。
気は「エネルギー」、正確には「生命の息吹」で、天と地の間に充満しており、万物が生き変化するのはすべて気のためだとされる。陰と陽が調和のとれた状態の気を「生気」と呼び、生命力や成長力を生み出す。対し、環境から生まれる有害な気を「殺気」と呼び、殺気を避けたり、生気に変えることもある。地形要素が持つ生命エネルギーを「地力」、時空間の気の流れや状態を「気運」と呼ぶ。天が動けば地気は影響を受ける。良い風水に恵まれた土地が永遠に良いままとは限らない。星の巡り合わせ。適切な時期に利用することが大切。

更に、道教哲学の中核には、人生経験を作り上げる5つの可変要素がある。
1.「命」(運命)先祖から受け継いだ運命、
2.「運」(巡り合わせ)個人が作り出す運と個人の自由にならない運がある、
3.「風水」外部環境が内面要素に影響を及ぼす、
4.「陰徳」善行や他人への奉仕、
5.「読書」教育や自己啓発

生者も死者もあらゆる存在が一つに結びつき、家系の結びつきも強く、子孫の運命は先祖の墓の吉凶に左右されると考える。
風水は天と地の間で生きる道教哲学なのだろう。

※老子「道は一を生み、一は二を生み、二は三を生み、三は万物を生み出す」
※趙九峰「風水は山や川の気を見極める。それが地の重要な要素だからだ。山は気で固まるため、気は山により明らかになる」

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