関東大震災復興100年「これからの住宅」村上木構造デザイン室 村上敦史
1923年(大正12年)関東大震災→建築基準法制定から、今年で100年目。その間、
1968年(昭和23年)十勝沖地震(M7.9)→建築基準法改正
1978c(昭和33年)宮城沖地震(M7.9)→1981年新耐震設計、基準法大改正
1983年(昭和58年)日本海中部地震(M7.7)津波
1995年(平成07年)阪神淡路大震災(M7.3)→2000年品確法、性能の規定化
2011年(平成22年)東日本大震災(M9)
2016年(平成28年)熊本地震(M7.3,M6.5)
と、最近では大きな地震の起きる間隔が短くなってきている。
2025年大きな法改正が予定されている。(4号特例見直し→(2号建築物、3号建築物)や壁量の改訂、柱の小径の算定方法見直し、構造計算の推奨など)
構造設計のこれから
在来木造住宅の倒壊原因
・建物重量に対する壁量不足
・壁の配置バランスが悪い(偏心)
・下階の耐力壁まで力を伝達できない建物(水平構面の剛性不足)
・接合部の金欠不良(筋違端部、柱脚と土台、梁端部、アンカーボルト)
・基礎や地盤の強度不足(玉石、ブロック基礎、無筋コンクリート)
・土台や柱の腐朽や蟻害
・地盤の崩壊
2025年大きな法改正
・建築物の荷重の実態に応じて算定式などにより必要壁量の決定
・存在壁量として、耐力壁に加え腰壁や垂れ壁を考慮可
・壁倍率の5倍上限の撤廃
・構造計算による場合は壁量計算不要(構造計算を行わない場合は必要事項を仕様表に記載)
・柱の小径の算定方法見直し
作成した図書を15年間保管する義務も現在すでにある。
プレカット伏図の利用と注意点
・梁の勝ち負けなど、継手や仕口を考慮した図面にする
・流通材寸法(3m、4m、5mが基本)を最大限活用した図面とする
・建て方手順など、現場作業をを考慮した梁組(仕口、継手)図面とする
・継手と火打梁、羽子板ボルトやホールダウン金物など、金物と部材の干渉などを立体的に考えて図面にする
・構造はもちろん、作業効率(工場加工や現場作業)も考慮した伏図とする
・階段まわりの納まりを考える。
・梁をぶつ切りにしない。
架構計画について~力の流れを合理的にするために架構ブロックを意識
・小屋梁の梁成は、2階柱によるスパンでなく、2階柱直下に1階柱がある柱を支持点として決める
・小屋荷重は、2階床梁を経由せず、2階柱→1階柱→土台基礎の順に流れるようにする
・間取りに基づく伏図でなく、架構ブロックに基づく伏図とし、細かい部分はプレカット工場に任せる。
・外柱直下率、内柱直下率をチェックする
・適切な間取り、柱の設計をおこなうことで、ライフスタイルに応じた間取り変更を可能にする
・構造と非構造を区別し、2階床梁に柱がのらない設計を行えば、杉製材の横架材や国産集成材の利用が可能になりコストダウン、国産材自給率も向上する。