江戸時代中期(1700年代)の茅葺き民家。内部は昭和10年代の様子。軒が随分低く、土壁がまわった閉鎖的なつくりで、戸袋もなく板戸は、古い民家の性格を示す。平面は、板敷のヒロマの西側に南北の続き間を持つ「広間型三間取り」天明家などの「四間取り」平面より遡る形式。屋根を支える小屋組は叉首組(さすぐみ:合掌組)だが、棟束が併用されている。北側のザシキを除いて天井は無く、縦横に組まれた梁が露出される様子は壮観。梁の小口は外壁に突き出され外観の特徴にもなっている。ヒロマの前面にはシシマドと呼ばれる格子窓があり、古い時代の関東平野の民家に共通して見られ、換気、採光のほかに獣の侵入を防いだといわれる。

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