■比重について 鉄筋コンクリートは水の重さの2.4倍
建物の安全性を考える上で重さを知ることが重要です。重さから始まります。ここに、1Mの立方体の塊があります。水であったら1t(トン)ですね。この1tの水を基準にして、その他の重さが水の何倍の重さをもつか、比べた重さを比重といいます。
材料 | 重さ(トン) | 重さ(ニュートン) | 比重 |
---|---|---|---|
水 | 1.0t | 10kN | 1 |
鉄筋コンクリート | 2.4t | 24kN | 2.4 |
鋼(steel) | 7.85t | 78.5kN | 7.85 |
木 | 0.5t | 5kN | 0.5 |
ガラス | 2.5t | 25kN | 2.5 |
アルミ | 2.7t | 27kN | 2.7 |
金 | 19.32t | 193.2kN | 19.3 |
ALC | 0.6t | 6kN | 0.6 |
鉄筋コンクリートの重さも水の2.4倍あって重いですが、金の19.3倍は別格として、鋼が7.85倍と格段に重いですね。鋼(steel)とは、鉄(iron)に炭素を0.15%~0.6%程度入れて、粘り強くした鉄のことです。一般的には鉄骨造の建物が鉄筋コンクリート造より軽いと言われるのは、鉄骨の強度が高いので、薄い厚みの部材で柱や梁をつくっているからです。鉄骨造の柱の中は空洞であったり、梁がH形であったりするのは、鋼はとても強い材料ということです。鉄骨造は正確には鋼構造と言います。
比重が1より小さいものは水に浮き大きいものは沈みます。木は比重が0.5と小さく水に浮きますが、その割に強度が高くて、比強度(強度/比重)では、木>鋼>コンクリートという順になります。木は燃えたり腐ったりする欠点もありますが、軽くて強い、優れた構造材だといえます。木が身近な日本では木造住宅が多いですね。