これまで、特に関西から九州にかけては、地震よりも台風が多く、台風による屋根の被害を多くうけてきたことから、屋根には風対策として重い瓦を使う傾向があった。しかし、阪神淡路大震災では、木造住宅の被害が多く目立ったため、震災以降は軽い金属屋根材へ変更するリフォームが多くなってきた。屋根が軽いと、重心が低くなるため、揺れが小さくなり、倒壊のリスクが減る。同じ屋根材であれば、屋根瓦が6000Kgに対し、金属屋根が600Kgなので、重さは約1/10。更に、地震時に建物の重量の20%が地震力として水平方向に加わるとされているから軽い屋根の方が地震力が小さくなるのは確か。しかし、瓦は、耐久性、防火性、断熱性の観点からすれば優れた素材なので、瓦で重くなる分、壁量を増やして対策することも考えられる。地震力が加わっても、その水平力に耐えられるだけの壁量を、バランス良く確保すること。壁だけでなく、床面の剛性、接合部の強度も同時に大切。自然は弱点を見逃さない。地震対策で軽い屋根に吹き替えるのは有利だが、屋根が傷んでいないのに吹き替えははもったいない。他に対策がないか検討するのが良い。

屋根は、耐震に関しては、軽い金属屋根等の住宅の方が被害が少なくて有利なのは確かだが、耐震対策はそればかりではないということ。

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