霊廟建築とは、有力者の霊を祀るためにたてられた建築物。戦災などでほとんどが消失している。三代将軍徳川家光の側室であった「お振の方」の霊廟。随所に漆と極彩色の木彫や飾り金具の装飾が施され、江戸時代食の建築技術の粋を伝えるとともに、徳川家の権勢の一端がうかがえる。大工は、幕府作事方大棟梁、甲良宗賀(こうらむねよし)。禅宗様と和様の折衷様。禅宗様は鎌倉時代に禅宗伝来とともに南宋から日本に伝来した建築様式で、その後、他の宗派でも用いられ、次第に、奈良時代以来の様式である和様と折衷された形で用いられるようになった。柱・組物・桟唐戸や須弥壇などには禅宗様が、蔀戸や高欄の擬宝珠、板張りの床などには和様の意匠が用いられている。建物内部は現状のまま保存されているという。

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