■建築基準法の変遷(耐震)

建築基準法は新たな地震被害が発生すると、その被害原因を検証し改正が繰り返されてきた。我が国の建築法規は、西暦701年の大宝律令で定められた「他人の家をのぞき見る楼閣の建築禁止」が最初であると言われている、その後の主な流れは、
◎大正08年(1919年)【市街地建築物法】が制定され、建築基準法の前身となる。
△大正12年(1923年)<関東大震災M7.9>
△昭和16年(1941年~1946年)第二次世界大戦、資材不足もあって法律は休眠状態
◎昭和25年(1950年)【建築基準法制定】地震力に対する必要壁量を制定。
△昭和43年(1968年)<十勝沖地震M7.9>
◎昭和46年(1971年)【基準法改正】木造基礎は鉄筋コンクリート造の布基礎と定める。
△昭和53年(1978年)<宮城県沖地震M7.9>
◎昭和56年(1981年)【新耐震基準】基準法大改正、必要壁量改定、壁種類と倍率改定
△平成07年(1995年)<阪神大震災M7.3>
◎平成12年(2000年)【住宅品質確保促進法制定】柱や筋交い端部は金物による接合が定められる。偏心の検討。
         (N値計算:耐力壁周辺の柱頭柱脚接合部の検証法、4分割法:耐力壁の適切配置の検証)
◎平成16年(2004年)【木造住宅の耐震診断と補強方法】
△平成17年(2005年)構造計算書偽装事件(姉歯事件)
◎平成19年(2007年)【瑕疵担保責任履行法公布】
△平成23年(2011年)<東日本大震災M9.0>
◎平成24年(2012年)【木造住宅の耐震診断と補強方法の改訂】
△平成28年(2016年)<熊本地震M7.3,M6.5>
のような変遷。地震は避けることは出来ないので、構造を壊すようなリフォームはせず、既存の木造住宅を耐震化することにより、防災力を高め、人的被害、物理的被害を最小化することが最も効果的であると考えられるようになった。日本は地震国。地球上で起こる約1/10の地震が日本列島周辺で起こっている。そして、年1回平均でM7程度の地震が起きており、10年に1回平均でM8の地震が日本周辺で起きている。そして、過去に何度も悲惨な歴史を繰り返してきているが、日本における木造住宅の耐震設計の歩みは意外と遅いと言わざるを得ない。

日本は地震国で、地震が起きるたびに法改正がなされてきた。政府は避難所として国民の20%程度しか確保できないので、被災時に自宅で避難できるような建物を多くしたいと考えている。

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