建築家・堀口捨己の現存する数少ない住宅作品であり、ヨーロッパから帰国しての処女作。山田守らと日本最初の近代建築運動である「分離派建築会」を結成する。オランダの建築を日本に紹介した人。又、茶室や庭園の研究者でもある。

ピラミッドのような仏堂に用いられる宝形造りの大屋根とシャープな軒が印象的。オランダ住宅のデザインを日本の素材で試みたようだ。水平線と垂直線、色彩による空間構成は、オランダの造形運動(デ・ステイル)の影響。
応接間は、壁に取りつく材(構造材としての柱ではない)が天井へ連なり、格子状に分割された天井面と壁面、赤や鶯色の色彩が空間美を生み出している。玄関廻りの幾何学的構成、伝統的書院造り、大胆な色彩の対照も妙に面白い。

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