耐震診断において、次のいずれかに該当するものは「問題あり」と判断されます。
問題の生じやすい地盤の例:「問題あり」と判断されます。 |
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:傾斜地で、敷地内に盛土、切土部分がある。 |
:建物周囲に、1.5m以上の擁壁がある。 |
:付近は液状化の可能性があると言われている地域である。 |
:田畑の造成地で、造成後5年以内である。 |
:河川・湖沼・池などの埋立地である。 |
:SS試験等で、地耐力30kN/m2以下の層が3m以上ある。 |
地盤の分類 | 判断基準 | S55建設省告示 第1793号 |
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良い・普通地盤 | 洪積台地または同等以上の地盤 | 第1種地盤 |
ー〃ー | 設計仕様書のある地盤(ラップル、表層改良、柱状改良) | ー〃ー |
ー〃ー | 長期許容地耐力50kN/m2以上 | 第2種地盤 |
ー〃ー | 下記以外 | ー〃ー |
悪い地盤 | 30mよりも浅い沖積層(軟弱層) | ー〃ー |
ー〃ー | 埋立地および盛土地で大規模な造成工事(転圧、地盤改良)によるもの | ー〃ー |
ー〃ー | 長期許容地耐力20kN/m2以上、50kN/m2未満 | ー〃ー |
非常に悪い地盤 | 海・川・池・水田等の埋立地、丘陵地の盛土地で小規模造成工事による もので軟弱な地盤 | 第3種地盤 |
ー〃ー | 30mよりも深い沖積層(軟弱層) | ー〃ー |
地球は46億年前に誕生し、生命は40億年前に生まれたといわれます。「洪積層」は今から約200万前から約2万年前までの古い地層で、高い台地に見られます(関東ローム層)。「沖積層」は、その後、今から約2万年前から現在までの間に体積した新しい地層で、まだ地盤が固まっておらず、水分を多く含み、砂、シルト、粘土からなる軟弱地盤となっており、地震時には地盤が大きく揺れ建物被害を受けやすい注意が必要な地盤です。地球の歴史には気が遠くなりますね。
告示1793号による地盤種別 | |
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第1種地盤 | 岩盤、硬質砂礫層、その他、主として第三紀以前の地層によって構成されているもの、又は地盤周期等についての調査もしくは研究の結果に基づき、これと同程度の地盤周期を有すると認められるもの |
第2種地盤 | 第1種地盤および第3種地盤以外のもの |
第3種地盤 | 腐植土、泥土その他これらに類するもので大部分が構成されている沖積層で、その深さが30M以上であり、かつ、埋め立てられてから30年経過していないもの、又は同程度の地盤周期を有するもの |
建築基準法では第3種地盤の上に建つ木造建物は建物の揺れが大きくなることが予測されることから、壁量を1.5倍にしなければならないと記されています。
いくら耐震性能の良い建物であっても、地盤被害には勝てません。主として地震時に起こりやすい地盤被害は、「地盤崩壊」「地盤すべり」「地盤沈下(不同沈下、圧密沈下)」「液状化」等があります。
土地選定にあたっては、地盤MAP、ハザードマップ、土地の歴史、地名の由来、付近の道路や擁壁ブロック等にひび割れがないか等、慎重に「安全な良い地盤」を選定すべきだと考えます。又、付近に大きな木があれば、長年の風雨に耐えるだけの地耐力がその土地にあると判断したり、歴史のある神社が付近にあれば地盤が良いだとか、文化財がでるところは安全な場所である証、植生に関しても水を好む竹林があれば…等の判断基準もあります。勿論、将来性や利便性なども大切な要素です。