八王子千人同心は、当初、甲武国境を警備する役割で、八王子と周辺地域に居住した郷土集団。甲斐武田氏の滅亡後、徳川家康の配下となり八王子に配備された。平同心は、上層農家が多かった。戦乱が収まると、日光東照宮や江戸城の警備、北海道開拓や地誌編纂、江戸警備などもし、千人頭や組頭の中から文化人が輩出。私塾を開き、文武の普及に努めた。小屋組は、二本一組の斜材で屋根を支える杈首組(合掌造り)で、縦横に組まれた梁とともに、簡素な構成の中に美が宿る民家の魅力を伝える。平面は「整形四間取り:田の字形」。柱が礎石の上にじかに乗る構造は、江戸時代後期の一般的な特徴。座敷は床の間を持ち、床脇の天袋や地袋、四周に廻した長押、式台付きの玄関などは、一般的民家に比べて高い格式を示す。

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