江戸時代に建てられた青梅街道沿いにあった旅館。平成5年まで営業を続けた。木造2階、杉皮葺き(復元にあたり防火のため波板鉄板を葺いている)の切妻屋根。正面の1階庇は、耐久性の高い栗の木を使用したトチ葺き。富山の薬売りなどの商人宿として使われた。奥まで通り抜けられる中土間を中心に左右に部屋がある。「与次郎組」と呼ばれる小屋組は、江戸時代に考案された和小屋(日本の伝統的な小屋組)のひとつで、小規模な民家の主屋や土蔵に見られる。小屋裏を利用するための工夫である。棟床(与次郎束)に対して、左右から登り梁をほぞ差し、込み栓止めとして大架構空間を形成している。与次郎が考案したといわれる。つりあい人形(ヤジロベー)の構造に似ていることが由来となっている。

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