■ル・コルビジェのロンシャン礼拝堂(1955年 昭和30年)

コルビジェの最高傑作といわれる「ロンシャン礼拝堂」。屋根は蟹の甲羅がモチーフといわれています。良い建物に説明は不要。感じることができる。建物や図面も、説明不要で良さを感じられる、良い図面は、たとえ平面図であっても、配置図であっても、ぱっと見ただけで美しいといいます。そんな図面をかきたい、と思った建物です。

コルビジェは「住宅は住む機械」という発言や「近代建築の5原則」を提案し、モダニズムを牽引してきた人物であるのに、この建物は真反対で、生命力のある有機的形態は、光と影もあいまって敬虔な存在感をかもしだしていると感じます。

教会建築が大事にしていたのは光。ロンシャンの内部の美しい光は多くの人々を魅了しています。安藤忠雄もこのロンシャン礼拝堂の影響を多大にうけており、「建築とは建築家その人の生き方が表現されること、そして建築とは光から生まれることを学んだ」と言っています。

私は、この建物の影響もあって、図面の中に優しさ愛情、配慮や工夫等を盛り込み、説明せずとも感じてもらいたいなという図面を描くことを心がけるようになり、描いたあかしに、図面の右下に小さくHeartfullb High Qualityと書くようになりました。今でも、どこかに残っているでしょう。笑

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