□六車誠二:「民家型工法」標準化「渡り顎のラップは60㎜」住宅フレームを数種類に限定しブラシュアップ。伝統的に杉だけの架構は意外と少ない。柱は桧か杉、横架材は松が一般的だ。松が松くい虫の被害を受け激減したこと。戦後拡大造林期に大量に植林された杉が伐旬を迎えていること。杉だけで架構を組むことは現代的課題であると感じた。東北陸前高田の「気仙杉」は冬目が太くまるで松のように思えた。素材の特性が建築をつくる。「いちばん安いのも杉なら、いちばん高いのも杉」高度経済成長期、誰も山に目を向けなかった時代に育った杉、ネグレクトされていた痕跡は年輪に刻まれている。植林期の高密度から、木の成長に合わせ徐々に間伐を繰り返し、少しずつ密度を下げていくのが林業施業の理想。ネグレクトとは、「木の成長に合わせて少しずつ」を放棄することだ。年輪の間隔はランダム、ほぞ部分の強度が心配な「使いにくい材」となる。1立米の木材を大型機械で乾燥するには重油60L必要とするという。エネルギー収支的にどうなんだろう。若杉活用軸組構法は、全ての構造材を5寸角に集約する。背割りにクサビを打ち込み、年輪方向に圧縮力をかけ、他の3面を割れにくくする。渡りあご中心でなく差物中心の軸組。木組みの基本形「長ホゾ+込栓」を丹念に繰り返す。ホゾを玄能でたたき1㎜潰した状態でホゾ穴に納める。ホゾは穴の中で徐々に復元し抜こうにも抜けない密着度。木の復元力を活かした「木ゴロシ」という技術。「末口240Φあれば5寸角で組める。220Φであれば4寸5分、135角」

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