現在、国宝瑠璃光寺五重塔の屋根葺き替え工事が行われています。
瑠璃光寺五重塔は、日本三名塔の1つに数えられる本市唯一の国宝であり、修復を重ねることで建立以来600年近くもの長い間、その美しさが後世へと受け継がれており、この度、所有者である宗教法人瑠璃光寺にて、経年劣化への対応として約70年ぶりの檜皮葺屋根の全面葺き替え工事に取り組んでおられます。この工事は、国宝瑠璃光寺五重塔を次の世代へ引き継ぐために必要な保存修理であるとともに、文化財建造物の保存修理を支える伝統技術継承の場ともなります。

事業主体宗教法人瑠璃光寺
事業期間令和4年12月から令和8年3月まで
事業内容檜皮葺き屋根の葺き替え・木部修理等
設計監理公益財団法人文化財建造物保存技術協会
施 工協和建設工業株式会社
2024.7/13現在

檜皮を打つ竹釘

国宝瑠璃光寺五重塔は、嘉吉二年(1442)に完成し、室町時代中期におけるすぐれた建築の一つであるとともに、大内氏隆盛時の文化を示す遺構として意義深いものです。

高さは31.2メートルで桧皮葺独特の軽快さが見られ、軒の出は深くなっています。塔の身部は上層にゆくにつれて思い切って間をつめているので、塔の胴部が細く見えてすっきりと感じられます。これに対して初重の丈が高く、柱が太く二重目には縁勾欄があるので安定感が強くなっています。鎌倉時代から和様、禅宗様、大仏様の建築様式が用いられていますが、この塔は和様を主体としていて、一部に禅宗様の手法が見られます。室町時代のものとしては、装飾の少ない雄健なものです。この塔は大内義弘の菩提をとむらうため、弟の盛見がこの地にあった香積寺の境内に建立したものですが、江戸時代の初めに香積寺は萩に移り、その跡に瑠璃光寺が移りました。その後、瑠璃光寺五重塔と呼ばれています。

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